隅田川テラス

隅田川テラス

 隅田川テラスとは、防潮堤を補強するための護岸基礎を開放した、水辺テラスのことです。

 東京都を流れる隅田川両岸約47kmのうち、現在までに30kmほどが整備されています

 「テラス」ということもあり、おしゃれな印象のある隅田川テラスですが、実は防潮堤という大切な役割のある場所なんです!

 隅田川の流域は、長く水害に悩まされてきました。

 そのため、昭和30年代から40年代にかけて防潮堤が作られました。

 その後、昭和62年から、防潮堤の耐震性を向上させるためのスーパー堤防の整備が始まりました。

 その前面に整備されたのが、現在の隅田川テラスの始まりとなるテラスです。

 防潮堤によって、地域住民やその財産の安全性を確保するだけではなく、住民が川に親しむ機会を作り出そうという計画でした。

 隅田川テラスの楽しみ方はいろいろ。

 整備されている区間が長いので、都内各所からのアクセスも良好です。

 行きたいスポットの近くまで電車や地下鉄で行って、そこから歩いたり、さらに水上バスに乗ったりすることもできます。

 隅田川テラス沿いの有名な観光スポットとしては、浅草・東京スカイツリー・両国国技館・清澄庭園などが挙げられます。

 月島や築地も近いので、もんじゃ焼きや海鮮など、グルメも楽しめます!

 また、平成23年度、河川敷専用許可準則という決まりが改正されたことから、オープンカフェの営業が始まりました。

 あとの項目でもご紹介しますが、京都の川床のように、川の環境を感じられるおしゃれなお店がいっぱいなんです!

 春は桜を見ながら、夏は川からの風に涼しさを感じながら……、など、開かれた空間ならではの楽しみ方がありそうです。

 他にも、四季折々の花を楽しみながら散策するもよし、水辺の涼しい風を感じながらジョギングするもよし。

 公益財団法人・東京都公園協会のウェブサイトには、「隅田川テラスのみどころマップ」が掲載されていて、PDF形式でダウンロードすることができます。

 浅草や両国を散策したり、七福神ゆかりの地を巡ったりと、バラエティに富んでいます。

 距離は1.5kmから6.5kmまでと様々なので、体力や気候によって楽しみ方が選べます。

 お子さんと一緒にチャレンジしてもいいかもしれません。

 ジョギングしたい方向けには、「隅田川 リバーラン&ウォークマップ」を。

 こちらも、PDF形式でダウンロード可能です。

 距離は5kmから10kmで設定されているので、レベルによって楽しめそうです。

 また、隅田川テラスには照明設備もありますので、早朝や夜でも安全にランニングできます。

 日の出を見たり、東京の夜景を楽しんだり、屋形船を見たりと、エモいランニングになりそう!

 さて、隅田川テラスが防潮堤の役割を担ったものだということはご紹介しました。

 ここで、その歴史を江戸時代まで遡ってみましょう!

 隅田川テラスが現在の姿になるまでは紆余曲折、いろいろなことがあったんです

 それを知ると、もっともっと楽しめますよ。

 一緒に遊びに行ったご家族やお友達にも、ぜひ教えてあげてくださいね。

隅田川東岸を東京湾から東京都北区の岩淵水門まで遡る

 隅田川は、東京都のシンボルともいえる川です。

 起点は、東京都北区にある岩淵水門。

 ここから南北に流れ、東京湾に注いでいます。

 流路延長は23.5km、流域人口は約300万人という、世界でも類を見ない都市河川です。

 古く江戸時代は、河川と町、そして人が近い関係にありました。

 江戸の町を防衛するお濠や上下水道、そして船での物流を担う川。

 かつて、東京は「水の都」と呼ばれていましたが、江戸の水には多くの役割があったことが分かっています。 

 特に、物資や人の輸送は、隅田川を軸として行われていました。

 埼玉・秩父から切り出した材木の運搬に用いられ、川の両岸には物資の貯蔵や保管のための蔵が立ち並んでいたのです。

 また、浅草や両国などの観光地は、江戸の名所として賑わっていました。

 春は桜、夏は船遊びや花火。神社仏閣や見世物小屋もあり、庶民のレクリエーションの場でした。

 このように、江戸の文化や経済、生活を支える大きな存在だったのです。

 ところが、その賑わいも昭和30年代の前半ごろまでだったといわれています。

 そのころから、東京はオリンピック開催のためのインフラ整備が進み、道路網が発達。

 江戸時代から川が担っていた物流機能は、陸上道路へと転換されることになりました。

 また、工場廃水や生活排水が隅田川に流れ込んだことから、水遊びができるほどきれいだった川は汚れ、水質が悪化。異臭を放つようになりました。

 その匂いは、近くを走る電車内にまで漂っていたそう。

 その後、下水道の整備が進められたことや、川の土砂・ヘドロを取り除く作業が進んだことから、隅田川の水質は改善しました

 一時中断されていた隅田川の花火大会や、カヌーのレースも再開しています。

 今では当たり前の光景ですが、きれいな川があってこそのものなんですね。

 さて、このように川と町、人が関わりを取り戻したかのようにみえますが、実は時を同じくして、隅田川沿いでは防潮堤の整備が始まっていました

 昭和24年のキティ台風や昭和34年の狩野川台風によって、隅田川の流域は大きな水害に遭っています。

 そうした災害から住民の生命や財産を守るため、防潮堤や水門の整備が進められたのです。

 高い防潮堤が築かれたことで、隅田川は「存在しているが、見えない」ものになりました。

 そうして、人々の生活は隅田川から遠ざかっていきました。

 このころ作られた防潮堤は、コンクリートでできた「直立」のもので、切り立った崖のようになっていました。

 しかし、地震に対する安全性を高めるために、盛土による「緩傾斜型堤防」の整備が昭和55年から始まりました

 昭和60年には、スーパー堤防整備事業が始まり、現在の「隅田川テラス」につながるきっかけとなっています。

 隅田川テラスは、隅田川の流域約30kmにわたるため、観光スポットもたくさんあります。

 今回は、その中でもおすすめベスト3をご紹介します!

1.やっぱりここは外せない!浅草

雷門

 ・雷門

浅草のシンボル、浅草寺の雷門。隅田川テラスからは、歩いて5分ほどのところに位置しています。

仲見世通りには、お土産品や美味しい和菓子なども。

ちょっと横道にそれて、自分だけの名店を見つけるのもおすすめです。

着物をレンタルして、お江戸気分で楽しむのもいいかもしれません。

人力車に乗れば、浅草の観光名所をぐるっと一周、ガイド付きで楽しむこともできます。

 ・浅草花やしき

駅からは少し離れますが、お子様連れには何といっても「浅草花やしき」がおすすめ!

日本最古の遊園地である花やしきには、日本現存最古のローラーコースターもあります。

最高時速42kmですが、侮るなかれ。スリル満点です!

子供から大人まで、のんびり楽しめる遊園地です。

 ・浅草演芸ホール

つくばエクスプレス・浅草駅そばには、1964年創業の「浅草演芸ホール」があります。

「演芸」と聞くと、少し敷居が高いようにも感じられますが、落語だけでなく漫才やマジック、紙切りまであるんです

肩の力を抜いて、楽しんでみてくださいね。

2.清澄白河でアートな気分に

清澄白河

 ・清澄庭園

隅田川テラスから徒歩10分ほどのところにある、清澄庭園。

週末には約1時間の庭園ガイドもあり、庭園の歴史も知ることができます。

1周は、歩いて40分くらい

季節の移り変わりを感じながら、ゆったりと過ごしてみるのはいかがですか?

 ・東京都現代美術館

隅田川テラスからは少し離れますが、都立木場公園の中にある東京都現代美術館は、その名の通り、現代美術を展示している美術館です。

常設展の他に企画展もあり、夏休みの時期にはお子さんとおうちの方が一緒に楽しめる展覧会が企画されることも。

 ・おしゃれなカフェ

都営地下鉄大江戸線の開通により、利便性が向上した清澄白河駅周辺

先ほどご紹介した東京都現代美術館があるという環境も相まって、近年、おしゃれなカフェがたくさんオープンしています。

ぜひ、お気に入りの1軒を見つけてください。

3.両国で古き良きものにふれる

両国国技館

 ・両国国技館

 両国といえば、やはり国技館ではないでしょうか。

 大相撲のイメージが強い国技館ですが、多目的ホールとしても活用されています

 アーティストがライブを開くことも!

 また、併設の相撲博物館では、番付や化粧まわしなど相撲に関わる展示物が見られます。

 ・すみだ北斎美術館

 浮世絵版画『富嶽三十六景』で有名な葛飾北斎は、墨田区の出身。

 その地に2016年、「すみだ北斎美術館」が開館しました。

 常設展の他、北斎の作品の中からテーマを設定した企画展も行われています。

 ・刀剣博物館

 近年、若者にも人気のある「刀剣」。

 武器ではなく、美術工芸品としての刀剣を収集・公開しているのが、刀剣博物館です。

 その中には国宝も含まれ、企画展で見ることが可能です。

 隅田川では、2つの会社によって水上バスが運行されています。

1つ目が、公益社団法人・東京都公園協会が運営している水上バス「東京水辺ライン」。

もう1つが、東京都観光汽船株式会社が運営している「TOKYO CRUISE」です。

 今回は、「東京水辺ライン」についてお伝えします。

 人気の「浅草・お台場クルーズ便」は月曜日から水曜日を除いた4日間運行

他にも、「浅草・葛西クルーズ」「葛西・両国クルーズ」「葛西・お台場周遊」など様々なコースがあり、両国・浅草・竹芝・お台場などの観光スポットを結んでいます。

こちらは、土日祝日を中心に、桜の時期や大型連休、夏休み期間中に運行しています。

それぞれ、「急行便」「直行便」「各駅便」があるので、目的によって選ぶことができます。

他にも、「いちにちゆらり旅」では、隅田川や東京臨海部を、1日かけてゆっくり周遊することができます。

「いちにちゆらり旅」は完全予約制・運航日限定なので、事前にウェブサイトで運航日をチェックしてくださいね。

また、毎週土曜日には、ナイトクルーズ「2大タワー周遊便」も。

こちらは、東京の2大タワーである東京タワーと東京スカイツリーに加え、レインボーブリッジも楽しめます。

上から見る夜景もきれいですが、ライトアップされたタワーを見上げるのもまた粋!

東京スカイツリーは通常行なっている3種類のライティングに加え、様々なイベントとコラボレーションしたライティングも実施しています。

いつもとひと味違う、隅田川からの夜景を楽しむのはいかがでしょうか。

隅田川テラスの整備に合わせ、京都の夏の風物詩「川床」の東京版ともいえる「かわてらす」が設置されています。

昭和30年代前半ごろまでは、隅田川沿いにも同じような桟敷があったとか。

両国橋から蔵前橋の右岸側にある料亭が、夏場には川床のように営業していたそうです。

両国橋近くで江戸の庶民が夕涼みを楽しむ様子は、錦絵にも描かれているほど。

現在の「かわてらす」は、隅田川を中心に5店舗あり、通年で営業しています。

今回はそのうち、ランチを楽しめる3軒をご紹介します。

なお、情報は2022年6月現在のものです。

今後の感染症感染拡大等の状況によっては、変更になる場合があります。

ナベノ・イズム
  1. レストラン【ナベノ・イズム】

住所:〒111-0043 東京都台東区駒形2-1-1

電話番号:03-5246-4056

営業時間:ランチ=12:00-15:00(13:00最終入店)

          ディナー=18:00-22:00(19:30最終入店)

定休日:月曜日、他不定休あり

ウェブサイト:http://www.nabeno-ism.tokyo/

ランチコースは¥13,000。

日本の四季とフランス料理が融合した素敵なお料理を、テラス席で楽しむことができます

ボン花火

2.食堂&呑み ボン花火

住所:〒111-0043 東京都台東区駒形2-1-7 MKビル1F

電話番号:03-5830-1180

営業時間:

月-金 ランチ=11:30-14:30(Lo 14:00)

ディナー=17:30-23:00(22:00フードLo/22:30ドリンクLo)

  土日祝:11:30-23:30(22:00フードLo/22:30ドリンクLo)

定休日:なし

ウェブサイト:https://www.bonhanabi.jp/

ランチは、平日と休日でメニューが異なります。

また、日替わりランチもあるので、毎日食べても飽きません

牛すじカレー¥850〜という低価格も魅力。

隅田川花火大会開催の折には、花火大会プランがあります(2022年は中止のため通常営業)。

PITMANS

3.PITMANS(LYURO清澄白河内)

住所:〒135-0024 東京都江東区清澄1-1-7

電話番号:050-3188-8919

営業時間:7:00-22:00

定休日:記載なし

ウェブサイト:https://pitmans.jp/ 

ホテル・LYURO清澄白河内にあるレストラン。

朝食から夕食まで楽しむことができます。

ランチは、ボリュームたっぷりのバーガー類や、焼きカレーも。

お子様には、キッズプレートもあります。

なお、決済はキャッシュレスのみとなっています。